牛丼、好きですよね？ - 逃げろ！単身赴任　～寂しい生活からの脱出～

牛丼みんな好きですよね？と考えるのは私の勝手な思い込みで実は私の妻はあまり好きではない。あの安っぽい脂の多い薄い肉が好かんらしい。

と言っても我が家はそんなにいい肉を食している家ではない。むしろ牛より鶏や豚の方がメインな家庭だ。

脱線しました、とにかく男子は特に大好きな食べ物のはずだ。

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「どこの店の牛丼が好き？」

「吉野家とすき家、どっちが好き？」

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なんて会話、男なら一度はしたことあるはずだ？！

私は吉野家、いや昔から吉牛（ヨシギュウ）と呼んでいたからそう呼びたい。

昔から吉牛フリークだ。何故なら学生時代4年もバイトしていたからだ。

学生時代なんでもう20年以上前の話だ。牛丼も並（400円）、大盛（500円）、特盛（650円）しかなくあとは朝限定の定食（いわゆる朝定）があったくらいのシンプルメニューの時代だ。

制服も今の様な緑ではなく白ベースのポロシャツに紺のズボンと青いエプロンをしていた頃の時代だ。（驚いたことに当時の制服がネット上で見つからなかった！）

当時はまだ牛丼と言えば吉野家で今ほどすき家の店舗はなかった。

4年も働いたことでバイトリーダー（当時はシフトリーダー）にまでなり今の仕事に次いで人生で長く就いた仕事だ。

故に私にとっての牛丼は吉牛がナンバー1である。が、土地柄的に近くに無いときはしばしばすき家にも浮気する（汗）

たまに、吉牛に行くとメニューの多さに感心するよりバイトに同情してしまう。前述したとおり私のバイト時代はメニューの少なさ故、どんぶりや皿の数でレジを打っていた。たまに、にぎやかな暴走族達がきて店内を埋め尽くしたあとはよく駐車場にどんぶりが転がっていたこともあったが、基本テーブル上の食器の種類と数で判別していたものだ。

もちろん、今は伝票をわたされそれで会計だからバイトが食器で精算なんてことはしなくていいだろうがあれほどの数のメニューを作るのことに同情する。

私の頃なんて種類が変わっても所詮ご飯や肉の量が変わるくらいだ。仕込みも牛丼（サイドメニューも卵、みそ汁、サラダとお新香くらい）だけ煮込んでいればよかった。

時代なのだろう。どの店も牛丼だけでは立ちいかないのだろう。牛丼屋でカレーやましてうなぎまで食べられるとは夢にも思わなかった。

しかし、羨ましい所もある。当時の私のまかないは牛丼しかなった。

当然だ、メニューにそれしかないのだから。朝定の鮭や納豆は数勘定されてるから食べられない。お金を払っても朝の定食時間以外に精算するわけにはいかない。

つまり、私は4年間、吉牛を食べ続けたわけだ。まぁ、好きな人には羨ましく聞こえるかも知れないが当然飽きる。そんな時はコンビニでお惣菜だけ買ってきて店のご飯とみそ汁だけ食べたものだ。

私以外にも長く吉牛でバイトをしてる者たちがいた。不思議なことに皆、最後にいきつくメニューは一緒だった。長く、そして数多く牛丼を食べ続けた者が行き着くメニューそれは

牛丼つゆ抜き

だった。もちろん卵なんてかけない。

サラダのドレッシングをかけたり、ネギだけにしたり様々ためしたが結局みんな最後は

牛丼　つゆ抜きだった。（その上にショウガの赤い絨毯を敷き詰めるも敷かないのもそこは自由）

だから、私はたまにお客が「つゆ抜き」とコールすると心の中で「できるな」

と勝手に思っていたものだ。逆に「つゆだく」をコールされると「まだまだ浅いな」とも思っていた。

他にもネギだく、ネギぬき、あたまの大盛は当時メニュー表になくても存在していた。

今ではあたまの大盛は立派にメニューになっている。

ケンタッキーのように吉牛は門外不出の味らしくそのレシピはわからなかった。当時も袋に入ったむせかえるような粉末を溶かしてそのタレで肉を煮ていた。今では”ダシダ”なるものがスーパーにも売っていてそれで煮込むと比較的牛丼屋の味に近づくがスーパーで売ってるようなまぁまぁの牛肉ではダメだ。あの味は脂身だらけのペラペラの安そうな肉だから出せるのだと。最近トライしてよくわかった。

当時私が店のバットからとり出したような赤組と白組がはっきり別れた薄っぺらい肉はスーパーの肉売り場ではなかなか見られない。

悲しいことに今のアパートの近くには吉牛も私の中のナンバー2のすき家もない（どんだけ田舎なのやら）

そこでこんなのを見つけた